受賞作品AWARD

第7回受賞作品(2013年受賞)

国営越後丘陵公園は、世界で初めてばらを香りの分類別に植栽した「香りのばら園」を持っています。ここでは、6種類の異なったタイプのばらの香りをそれぞれのブロック毎に楽しむことができます。

最近、香りに対する関心も高まっている中、国営越後丘陵公園では、「香りのばら園」の魅力の向上を図るとともに、積雪・寒冷地から「進化するばらの香り~故きを温ね新たなる香りの発信~」をテーマに、平成17年から「国際香りのばら新品種コンクール」を実施しています。

このコンクールでは、日本国内はもちろん世界各国のばらの育種家から、毎年新品種の香りのばらを公募しており、応募された苗は、ばら園にある試作場に植栽され、2年間同じ条件の下で育てられます。そして2年目の春と秋に、ばらや香りの専門家で構成された審査委員会で厳正な審査を行い、受賞品種が決定します。

各賞として、4つに区分された応募対象品種毎に金賞・銀賞・銅賞が授与される他、特別賞として、金賞を受賞した品種のうち最高得点を得た品種に「国土交通大臣賞」、金・銀・銅賞を受賞した品種のうち「香り」部門での最高得点を得た品種に「新潟県知事賞」、また、一般来園者による人気投票で最も得票の多かった品種には「長岡市長賞」が授与されます。

本コンクールで入賞したばらは、ばら園で引き続き栽培され、その姿、形、さらに香りで、来園者を楽しませることになります。

HT(ハイブリッド・ティー)系
  Entry No. 品種名 作出者
金賞/国土交通大臣賞/新潟県知事賞 11 ゴスペル Rosen Tantau(ドイツ)
銀賞 45  カプリッチョ  友景 保(京都府)
銅賞/長岡市長賞 25 唐糸(からいと)  大月 啓仲(神奈川県)
F(フロリバンダ)系
  Entry No. 品種名 作出者
金賞    該当なし  
銀賞 37 フレッシュ・レモン 吉池 貞藏(岩手県)
銅賞 48 ローズ・ドゥ・クミコ 河合 伸志(神奈川県)
S(シュラブ)系
  Entry No. 品種名 作出者
金賞 62  ベラ・ドンナ 岩下 篤也(東京都)
銀賞   該当なし  
銅賞 60 クロード・モネ Pepinieres et Roseraies Georges Delbard(フランス)
Min(ミニチュア)系
  Entry No. 品種名 作出者
金賞/銀賞/銅賞 該当なし

HT(ハイブリット・ティー)系

金賞 / 国土交通大臣賞 / 新潟県知事賞
Entry No. 11
品種名 ゴスペル
作出者 Rosen Tantau(ドイツ)
花の特徴 大輪ロゼット咲きの明赤紫色の花弁は秋により濃い深紅色に変化する。花首が強い品種。
香りのタイプ ダマスク・モダン
~蜜のような甘さのあるバラの香りにヒヤシンスグリーン・さわやかなフルーツ・華やかな粉っぽいニュアンスを持った芳醇な香り~
銀賞
Entry No. 45
品種名 カプリッチョ
作出者 友景 保(京都府)
花の特徴 高芯剣弁咲きで、品のよいアプリコットクリーム色からの複雑なグラデーションは幻想的で特に美しい。蕾から咲き終わりまで存在感があり、無駄のない美しさを持つ。
香りのタイプ フルーティー
~力強いバラの香りにさわやかな柑橘の香りとアップル・ペアー・アプリコットのようなグリーンフルーツの香りがバランスよく調和した香り~

銅賞 / 長岡市長賞
Entry No. 25
品種名 唐糸(からいと)
作出者 大月 啓仲(神奈川県)
人気投票において、有効投票数1419票のうち最多の136票を獲得
花の特徴 中大輪のマゼンタ花弁が美しい。花もちに優れ、花弁が深い色から淡い色に変化する。
香りのタイプ スパイシー
~華やかなバラの香りにクローブのようなスパイス・お菓子を思わせるバニラの香りそしてビロードのような滑らかさのある魅惑的な香り~

F(フロリバンダ)系

銀賞
Entry No. 37
品種名 フレッシュ・レモン
作出者 吉池 貞藏(岩手県)
花の特徴 レモンイエローのロゼット咲きの花は葉の黄緑色と調和し、房咲き性に優れ株全体の姿が美しい。当園の第3回コンクールで長岡市長賞を受賞した「ノースフレグランス」を交配親に持つ。
香りのタイプ ティー
~上品なティーの香りに柔らかで甘さのあるバラの香りとトロピカルフルーティーな香りがバランスよく調和した香り~

銅賞
Entry No. 48
品種名 ローズ・ドゥ・クミコ
作出者 河合 伸志(千葉県)
花の特徴 紫がかったマゼンタ色の中輪フルダブルでやや小振りの花。秋は房咲き性が弱くなるが、花は開ききっても色褪せが少ない。
香りのタイプ ダマスク・クラシック
~さわやかなダマスク系のバラの香りにヒヤシンスグリーンと蜜のような甘さがアクセントの繊細な香り~

S(シュラブ)系

金賞
Entry No. 62
品種名 ベラ・ドンナ
作出者 岩下 篤也(東京都)
花の特徴 日本人の好みに合う藤色が美しい紫系の花は丸みのある剣弁で中輪。最後まで花形が崩れず、花姿が美しいブルーローズ。
香りのタイプ ブルー
~豪華なブルーローズの香りにピーチのようなフルーティーと蜜のような軽い甘さ、ゼラニウムの花らしい香りが加味された濃厚な香り~

銅賞
Entry No. 60
品種名 クロード・モネ
作出者 Pepinieres et Roseraies Georges Delbard(フランス)
特性 ピンクとイエローのストライプが印象的。丸弁カップ咲きからロゼット咲きに変化する移ろいが魅力的。審査項目のうち「新奇性」で今期の最高点を獲得。
香りのタイプ ティー
~上品なティーの香りに蜜のような甘さと軽さのある粉っぽい香りがよく調和した高級感のある香り~

審査講評

審査委員長:岐阜県立国際園芸アカデミー学長 上田 善弘

第7回の出品点数は64点で、ハイブリッド・ティー系統が34点、フロリバンダ系統は15点、シュラブ系統が13点、ミニチュア系統が2点とハイブリッド・ティー系統が多いのが特徴でした。

本年は春の急激な気温上昇、厳しい残暑などの異常な気象のため、全体に開花の進行が例年より早いのが特徴でした。そのような気候条件のなか、春と秋の2回の審査を行い、ハイブリッド・ティー系統で金、銀、銅の3点、フロリバンダ系統で銀、銅の2点、シュラブ系統で金、銅の2点、すべての系統を合わせ、金賞2点、銀賞2点、銅賞3点を選定しました。

ハイブリッド・ティー部門の金賞品種‘ゴスペル’(国土交通大臣賞、新潟県知事賞受賞)は出品品種中最高得点で、赤紫色の大輪ロゼット咲きで香りの強さ、質ともに高く、全形質においてバランスのとれた品種でした。シュラブ部門の金賞品種‘ベラ・ドンナ’は藤色が美しい紫系の品種で、香り点と合計点が高く、花付きは最高得点でした。フロリバンダ部門の銀賞品種‘フレッシュ・レモン’はレモンイエローの花が葉の色と調和し、花付きに優れ、株全体の美しさが高く評価されました。ハイブリッド・ティー部門の銀賞品種‘カプリッチョ’は高芯剣弁咲きで、アプリコットクリーム色から複雑なグラデーションと蕾から咲き終わりまでの無駄のない美しさが評価されました。長岡市長賞と銅賞を受賞した品種‘唐糸’は、花もちがよく、マゼンタ色の花が美しく花色が淡い色に変化することが来園者に好感を持たれたものと思われます。

審査副委員長:パフューマー 市川 祐司

第7回コンクールは、海外と国内を合わせて64品種の出品がありました。今年の春の異常な高温や夏の猛暑の気候にもかかわらず、入賞花は昨年と同様、金賞2点、銀賞2点、銅賞3点でした。入賞した香りのレベルは高く、品種区分別香り得点ではハイブリッド・ティーが高く、シュラブ、フロリバンダ、ミニチュアの順でした。

入賞花の内、金賞で国土交通大臣賞と新潟県知事賞をトリプル受賞したハイブリッド・ティーの品種名‘ゴスペル’は香りの強さも高レベルにあり、香りの良さでは最高点を獲得しました。香りのタイプは、ダマスク・モダン系で「蜜のような甘さのあるバラの香りにヒヤシンスグリーン・さわやかなフルーツ・華やかな粉っぽいニュアンスを持った芳醇な香り」でした。

シュラブの金賞の品種名‘ベラ・ドンナ’は、香りのタイプは、ブルー系で「豪華なブルーローズの香りにピーチのようなフルーティーと蜜のような軽い甘さ、ゼラニウムの花らしい香りが加味された濃厚な香り」でした。

なお長岡市長賞と同時に銅賞を獲得した品種名‘唐糸’は、スパイシー系で、「華やかなバラの香りにクローブのようなスパイス・お菓子を思わせるバニラの香りそしてビロードのような滑らかさのある魅惑的な香り」でした。