受賞作品AWARD

第5回受賞作品(2011年受賞)

「国際香りのばら新品種コンクール」は、日本国内はもちろん世界各国のばらの育種家から、毎年新品種の香りのばらを公募し、積雪・寒冷地である当公園において2年間同じ条件の下で育てられ、その後、ばらや香りの専門家で構成される審査委員会によって、2年目の春と秋とに審査が行われ、その年の受賞品種が決定されます。

各賞として、4つに区分された応募対象品種毎に金賞・銀賞・銅賞が授与される他、特別賞として、金賞を受賞した品種のうち最高得点を得た品種に「国土交通大臣賞」、金・銀・銅賞を受賞した品種のうち「香り」部門での最高得点を得た品種に「新潟県知事賞」、また、一般来園者による人気投票で最も得票の多かった品種には「長岡市長賞」が授与されます。

HT(ハイブリット・ティー)系

金賞
Entry No. 11
品種名 2010-01
作出者 寺西 菊雄(兵庫県)
香りのタイプ ダマスク・クラシック
~ヒヤシンスの新鮮さにフルーツとバラらしい香りがよく調和した、涼やかで透明感のある洗練された香り~

銀賞
Entry No. 1
品種名 ミスターケイ
作出者 三上 圭一(岩手県)
香りのタイプ ダマスク・モダン
~甘味のあるフルーティにメタリックグリーンのアクセントを持った調和の良い香り~

銅賞
Entry No. 45
品種名 ラ・マリエ
作出者 河本 純子(岐阜県)
香りのタイプ ダマスク・クラシック
~ティーに爽やかなレモン果皮と蜜ようの香りを持つフレッシュな香り~

F(フロリバンダ)系

金賞 / 国土交通大臣賞 / 新潟県知事賞
Entry No. 29
品種名 真夜(まよ)
作出者 河合 伸志(千葉県)
香りのタイプ ダマスク・モダン
~さわやかなフルーツと粉っぽさと蜜の甘さ、こくのあるクローブがバラらしい香りと調和した華やかで芳醇な香り~
審査概要 フロリバンダ系金賞で国土交通大臣賞と新潟県知事賞とをダブル受賞。
他の系統も含めたなかで合計点数において最高得点を獲得。香り点及び新奇性の項目においても最高得点で、香りの強さ・質に加えて、花色や樹姿の新しさが評価された品種であった。

銀賞
Entry No. 28
品種名 FKS-304
作出者 武内 俊介(千葉県)
香りのタイプ ティー
~ティーの香りにゼラニウムや甘い蜜ようのある優しく調和の取れた香り。アニスの特徴が少しある~

銅賞
Entry No. 23
品種名 FKS-278
作出者 武内 俊介(千葉県)
香りのタイプ ティー
~ティーの香りに蜜・粉っぽさ・スパイシー等様々なアクセントを持つ明るく可憐な香り~

長岡市長賞
Entry No. 32
品種名 Bradford™ Poulcas040Ⓝ
作出者 Pernille and Mogens N. Olesen (デンマーク)
特徴 オレンジから赤味がのってくる華やかな花色と柔らかなカップ状の花型。
香りのタイプ ティー
~ティーの香りにアップル、メタリックグリーンのある綺麗な香り。香りはやや弱い~

S(シュラブ)系

金賞
Entry No. 44
品種名 OMOH-2202
作出者 友景 保(京都府)
香りのタイプ ティー
~レモンの新鮮さとアップル・ペアのフルーティ感を含んだティー・ローズの香りの調和のとれた、みずみずしい上品な香り~

銀賞
Entry No. 48
品種名 ローズ・ポンパドール
作出者 Arnaud Delbard(フランス)
香りのタイプ ダマスク・クラシック
~華やかなローズの香りに明るいフルーティ、レモン、青葉等様々な香りの調和した豪華な香り~

銅賞
Entry No. 41
品種名 Windermere
作出者 David C.H. Austin (イギリス)
香りのタイプ ティー
~ティーの香りに甘くジューシーなフルーツノートや蜜ようのある上品で調和のとれた香り~

Min(ミニチュア)系

該当なし

審査講評

審査委員長:岐阜県立国際園芸アカデミー学長 上田 善弘

第5回の出品点数は51点で、ミニチュア系統の品種は1品種のみでしたが、ハイブリッド・ティー系統が21点、フロリバンダ系統が16点、シュラブ系統が13点と各系統がまんべんなく出品されていました。

本年は春の天候が不順で降雨が多く、開花も遅れ、なかなか審査の難しい年でもありました。そのような中、慎重に春と秋の2回の審査を行い、ミニチュア系統を除く3系統で金、銀、銅の3賞を各1点、すべての系統を合わせ、金賞3点、銀賞3点、銅賞3点を選定しました。

フロリバンダ部門の金賞受賞品種‘真夜(まよ)’は他の系統も含めたなかで最高得点で、香り点も出品品種中、最も高く、香りの強さ、質ともにすばらしい品種でした。また、新奇性においてもこの品種は最高得点で、香りに加えて、花色、樹姿の新しさが評価されたものと思われます。ハイブリッド・ティー部門の金賞受賞品種、‘2010-01’は鮮やかな赤色と高芯剣弁の整った花型で、どの形質も高得点のバランスのよい品種でした。シュラブ部門の金賞品種‘OMOH-2202’は全出品品種中2番目に高い合計得点の品種で、なかでも花付き・美しさにおいて最も高い点を取得し、その華やかさが高く評価されました。長岡市長賞の‘Bradford’は、オレンジから赤味がのってくる華やかな花色と柔らかなカップ状の花型が、来場者に大きな印象を与えたために受賞となったものと思われます。

審査副委員長:国際香りと文化の会会長 中村 祥二

第5回コンクールには、海外と国内合わせて51品の出品がありました。天候不順にもかかわらず、今回も全般に香りのレベルは高く、この中から金賞3点、銀賞3点、銅賞3点の入賞花を選定しました。入賞数は一昨年、昨年のコンクールと同数でした。入賞花は海外2点、国内7点であり、国内の入賞が多くなりました。品種区分別香り得点ではシュラブが高く、ついでハイブリッド・ティー、フロリバンダ、ミニチュアの順になりました。

入賞花の内、金賞で国土交通大臣賞と新潟県知事賞をダブル受賞したフロリバンダの品種名‘真夜(まよ)’は香りの強さ、香りの良さ共に高得点を獲得しました。香りのタイプはダマスク・モダン系で、「さわやかなフルーツと粉っぽさと蜜の甘さ、こくのあるクローブがバラらしい香りと調和した華やかで芳醇な香り」でした。

ハイブリッド・ティーの金賞の品種名‘2010-01’は、香りのタイプはダマスク・クラシック系で「ヒヤシンスの新鮮さにフルーツとバラらしい香りがよく調和した、涼やかで透明感のある洗練された香り」でした。

シュラブの金賞の品種名‘OMOH-2202’は、香りのタイプはティー系で「レモンの新鮮さとアップル・ペアのフルーティ感を含んだティー・ローズの香りの、調和のとれたみずみずしい上品な香り」でした。

(参考資料)第5回 国営越後丘陵公園「国際香りのばら新品種コンクール」について

募集要項
1. 応募者の資格

ばらの育種に関して国内・国外及びプロ・アマチュアを問わない。

2. 応募対象品種

(1) 応募対象品種の資格

未発売の品種あるいは2004年1月1日以降に発売された品種

(2) 応募対象品種区分

(3) 1品種当たりの募集本数

1品種当たり4本(苗は接木した3年生苗まで認める。)

3. 参加料

無料

募集期間

2009年4月から2010年3月

審査年月日

春:2011年6月4日~17日  秋:2011年9月28日~10月13日

審査委員
委員長 上田 善弘 岐阜県立国際園芸アカデミー学長
副委員長 中村 祥二 国際香りと文化の会 会長
審査委員 石川 直樹 新潟ばら会 会長
森相 欣一 パフューマー
野村 和子 NPOバラ文化研究所 副理事長
渡辺 修治 静岡大学創造科学技術大学院教授
御巫 由紀 千葉県立中央博物館 上席研究員
安倍  豊 埼玉ばら会 名誉会長
石黒 秀子 ばら研究家・音楽学院主宰
高木 絢子 園芸研究家・NHK趣味の園芸講師・NPOバラ文化研究所理事
前川 美伸 ガーデン・デザイナー
大久保 直美 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所 主任研究員
永野 純子 高砂香料(株)研究開発本部フレグランス研究所創香研究部 専任研究員
市川 祐司 パフューマー
市村 幸晴 国営越後丘陵公園事務所長(データ管理)
各賞
出品内訳
出品者数20人(国内11人・海外9人)
参加国6ヶ国(日本・イギリス・デンマーク・フランス・ドイツ・アメリカ)
出品数51品種
ハイブリッド・ティー系 21品種
フロリバンダ系 16品種
シュラブ系 13品種
ミニチュア系 1品種