第11回受賞作品（2017年受賞）

「国際香りのばら新品種コンクール」では、日本国内はもちろん世界各国のばら育種家から毎年新品種の香りのばらを公募し、積雪・寒冷地である当公園において２年間同じ条件の下で育てられます。そして、2年目の春と秋にばらや香りの専門家で構成される審査委員会によって厳正な審査が行われ、受賞品種が決定されます。

各賞として、4つに区分された応募対象品種毎に金賞・銀賞・銅賞が授与される他、特別賞として、金賞を受賞した品種のうち最高得点を得た品種に「国土交通大臣賞」、金・銀・銅賞を受賞した品種のうち「香り」部門での最高得点を得た品種に「新潟県知事賞」、また、一般来園者による人気投票で最も得票の多かった品種に「長岡市長賞」が授与されます。

HT（ハイブリッド・ティー）系

F（フロリバンダ）系

Ｓ（シュラブ）系

Min（ミニチュア）系

HT（ハイブリット・ティー）系

金賞/ 新潟県知事賞

Entry No. 54

品種名	ル・プランタン
作出者	木村 卓功（埼玉県北葛飾郡杉戸町）
花の特徴	明るいピンクで、外弁がやや白く、咲き進むに従いクォーター咲きからロゼット咲きとなる。
香りのタイプ	「ダマスク・クラシック」
	～グリーンアップルとヒヤシンス様の爽やかさが特徴の優しい甘さを備えたダマスク系の香り～

銀賞

Entry No. 8

品種名	AM-402-Ⅰ
作出者	ALAIN MEILLAND（フランス）
花の特徴	花弁の表裏のコントラストが美しい赤紫の花。抱え咲きで花がもり上がり、外弁はやや剣弁となる。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～広がりのあるチェリー様フルーツに蜜様の華やかな甘さのダマスク系の香り～

銅賞

Entry No. 15

品種名	アモローゼ
作出者	友景 保（京都府船井郡京丹波町）
花の特徴	剣弁高芯咲きの花は、咲き進むとサーモンピンクから杏系の色となる。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～アップルとスパイスの香りが特徴的な上品で爽やかなダマスク系の香り～

F（フロリバンダ）系

金賞 / 国土交通大臣賞

Entry No. 35

品種名	フラワーデコレーター・永島
作出者	吉池 貞藏（岩手県花巻市）
花の特徴	澄んだクリームイエローの花色で、クォーターロゼット型の花形となる。お椀状のまとまりのある樹形と花とのバランスがすばらしい。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～アップルとヒヤシンスグリーン様の爽やかさに蜜様の甘さとアニスニュアンスのあるダマスク系の香り～

銀賞

Entry No. 57

品種名	ムーンボー
作出者	山川 弘富（岐阜県安八郡神戸町）
花の特徴	花芯が見えるやさしいシルバーブルー色で、弁先がフリルに波打つモダンな感じの花形。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～アップル・ピーチのフルーツをアクセントに蜜様の甘さとゼラニウム様のハーブグリーンの爽やかなダマスク系の香り～

銅賞

Entry No. 23

品種名	シュクレ
作出者	河本 純子（岐阜県揖斐郡大野町）
花の特徴	丸弁カップ咲きから抱え咲きとなり、花芯がピンクになる。蕾から開花が進行するに伴い、花色のコントラストが変わる。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～ライチ様のフルーツにティーローズ系の上品さを持ち合わせたすっきり感のあるダマスク系の香り～

長岡市長賞

Entry No. 37

品種名	ファンタスティック
作出者	佐藤 悟（新潟県三条市）
花の特徴	色があせない花芯の色が濃い黄色で、花形がくずれないシャクヤク咲き。
香りのタイプ	「ティー」
	～個性的なアニスとヒヤシンスグリーンのアクセントを持った優しいティー系の香り～

S（シュラブ）系

金賞

Entry No. 48

品種名	マイスタージンガー
作出者	忽滑谷 史記（埼玉県久喜市）
花の特徴	マゼンタローズ色で、丸弁カップ咲き。花柄がうなだれる特徴がある。
香りのタイプ	「ダマスク・モダン」
	～ピーチや蜜様の甘さと若葉の爽やかさが調和したゴージャスなダマスク系の香り～

銀賞

Entry No. 44

品種名	リヴェール
作出者	木村 卓功（埼玉県北葛飾郡杉戸町）
花の特徴	淡いサーモンピンクがさす白花で、花芯の黄色も美しい。花弁が波打つ丸弁平咲き。
香りのタイプ	「ティー」
	～華やかなトロピカルフルーツとアニスが特徴の拡散性のあるティー系の香り～

銅賞

Entry No. 39

品種名	RT12339
作出者	Rosen Tantau（ドイツ）
花の特徴	ショッキングピンクで、丸弁カップ咲き。赤い花茎とのコントラストが美しい。
香りのタイプ	「ダマスク・クラシック」
	～瑞々しいヒヤシンス様の爽やかさにティーローズ系のクリーミーな感じが調和したダマスク系の香り～

審査講評

審査委員長：岐阜県立国際園芸アカデミー学長　上田 善弘

第11回の出品点数は59点で、グランディフロラ系を含むハイブリッド・ティー系統が18点、フロリバンダ系統は25点、シュラブ系統が15点、ミニチュア系統が1点と、フロリバンダ系統が最も多く出品されました。本年は秋以降、曇雨天が続き、日照が不足する天候でした。そのような気象のもと、ミニチュア系統を除く3系統で、金、銀、銅を各1点ずつ、長岡市長賞をフロリバンダ系統から1点を選びました。

フロリバンダ部門の金賞で国土交通大臣賞受賞の‘フラワーデコレーター・永島’は、澄んだクリームイエローのクォーターロゼット型の花で、お椀状のまとまりのある樹形と花とのバランスがすぐれていました。審査では全形質において高得点で、なかでも耐病害虫性と耐候性は最高得点でした。ハイブリッド・ティー部門の金賞で新潟県知事賞受賞の‘ル・プランタン’は、クォーター咲きからロゼット咲きとなる明るいピンクの花で、香りの強さ、質とともに最高得点でした。シュラブ部門の金賞の‘マイスタージンガー’は、マゼンタローズ色の丸弁カップ咲きの花で、樹勢の強い品種でした。フロリバンダ部門銀賞の‘ムーンボー’は、波状弁のやさしいシルバーブルー色の花で、香り得点が高い品種でした。長岡市長賞受賞の‘ファンタスティック’は、色があせない濃黄色の花で、華やかなシャクヤク咲きとなります。人目につく鮮やかな花色が来園者をひきつけたものと思われます。

審査副委員長：パフューマー　市川 祐司

第11回コンクールは、海外と国内を合わせて59品種の出品でした。今年は春先の暑さと夏から秋にかけての長雨でバラにとって厳しい天候でしたが、香りのよいバラも多く、金賞、銀賞、銅賞各3品と長岡市長賞1品の合計10品の入賞花を選ぶことができました。

総合最高得点の国土交通大臣賞と金賞を受賞したフロリバンダの品種名‘フラワーデコレーター・永島’はダマスク・モダン系で、「アップルとヒヤシンスグリーン様の爽やかさに蜜様の甘さとアニスニュアンスのあるダマスク系の香り」です。香り部門の最高得点の新潟県知事賞と金賞を受賞したハイブリッド・ティーの品種名‘ル・プランタン’はダマスク・クラシック系で、「グリーンアップルとヒヤシンス様の爽やかさが特徴の優しい甘さを備えたダマスク系の香り」です。シュラブの金賞を受賞した品種名‘マイスタージンガー’はダマスク・モダン系で、「ピーチや蜜様の甘さと若葉の爽やかさが調和したゴージャスなダマスク系の香り」です。人気投票で選ばれた長岡市長賞を受賞した品種名‘ファンタスティック’はティー系で、「個性的なアニスとヒヤシンスグリーンのアクセントを持った優しいティー系の香り」です。

• 第10回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2016年受賞）
• 第9回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2015年受賞）
• 第8回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2014年受賞）
• 第7回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2013年受賞）
• 第6回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2012年受賞）
• 第5回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2011年受賞）
• 第4回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2010年受賞）
• 第3回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2009年受賞）
• 第2回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2008年受賞）
• 第1回国際香りのばら新品種コンクール受賞作品（2007年受賞）