香りのばらFRAGRANT ROSES

バラの香りと品種

バラの香りの種類

ダマスク-クラシックの香り

ヨーロッパ原産のバラ(ガリカ、ダマセナ等)の強い甘さと華やかさやコクを合わせ持っていて、心を酔わせる香りです。現代バラには典型品種が意外と少なく、ティーやフルーティの香りがやや強く出る傾向があります。

ダマスク-クラシックの香りをもつ代表的なバラ
ダマスク-モダンの香り

ダマスク-クラシックの香りを受け継ぎながら、香り立ちは強くより情熱的で洗練された香りです。ダマスク-クラシックとは含有する成分のバランスが異なっているために香りの質も違って感じられます。比べてお楽しみ下さい。

ダマスク-モダンの香りをもつ代表的なバラ
ティーの香り

中国原産のバラの香り成分が特徴。香り立ちは中程度ですが、上品で優雅な印象を与えます。現代バラの品種に最も多くある香りです。ハイブリットティーローズの多くには量の多少はあるものの、このタイプの香り成分を含有しています。

ティーの香りをもつ代表的なバラ
フルーティの香り

ダマスク系およびダマスク系の香りが変化した成分が多く含まれ、さらにティー系の特徴成分がいろいろなバランスで混在した香りを持つことが特徴です。ピーチのような香りや、アプリコット、アップルなどの新鮮な果実の香りが想起される香りです。

フルーティーの香りをもつ代表的なバラ
スパイシーの香り

ダマスク-クラシックの香りが基調ですが、丁字(クローブ)ようの香りがやや強く感じられスパイシーな香りが特徴です。ノイバラや一重の品種の多くはこの香りです。

スパイシーの香りをもつ代表的なバラ
ブルーの香り

ブルーの花色を持つ青ばら系の品種のほとんどが、この香りをもっています。この香りは主としてダマスク-モダンの香り成分とティーの香り成分が混在し、他にはない独特な香りを形成しています。

ブルーの香りをもつ代表的なバラ
ミルラの香り

ハーブのスィートシスリー(ミルラ・オドラータ)様の香り。やや青くささを強めた香りですが、ダマスク系やティー系の香りとよく調和します。イングリッシュローズに多くあります。

ミルラの香りをもつ代表的なバラ

バラの系譜

バラの原種が地球上に誕生して以来、この原種の自然交雑から200余種の野生バラが誕生したと考えられています。約2000年前には早くもバラの栽培が始まっていました。

この栽培バラでの交配が重ねられ、オールドローズが生まれました。オールドローズは一季咲き性ですが、花形だけでなく芳醇な香りを持つものも多くみられました。18世紀末に中国原産の四季咲き性のバラがイギリスに導入され、ヨーロッパ・アメリカさらに中近東にも広がり、バラの園芸化に大きく貢献しました。

1867年に現在ある園芸品種バラ作出の基礎となったモダンローズ(現代バラ)が生み出され(1837年という説もあります)、その後ハイブリットティー ローズ、フロリバンダ ローズ、ミニアチュアローズ、クライミング(つる性)ローズ等の園芸品種が出現しました。モダンローズの中でも特に芳香性の強いハイブリット ティーローズなどの香りが下図に示す7種類に分類されております。